3月のせんだいメディアテーク月例上映会は、1月にひきつづき1960-80年代にかけて、実験的な映画の制作・配給を通じて日本映画史に影響を与えた日本アート・シアター・ギルド(ATG)の特集をお送りします。
*トークゲスト:藤井仁子氏(映画研究者)、甲斐田祐輔氏(『すべては夜から生まれる』『砂の影』監督)、冨永昌敬氏(『パビリオン山椒魚』監督)
主催:せんだいメディアテーク
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ガキ帝国
監督:井筒和幸/115分/35mm/カラー/ビスタ/1981年
大阪万博も近いころ、少年院から出てきたリュウ(島田紳助)は、一緒に出院した高(升毅)を連れて友人のケン(趙方豪)とチャボ(松本竜介)が待つ母校へ向かう。その後、高は暴力団に入って頭角を現し、リュウたちは自由を求めて対決する。『パッチギ!』の井筒和幸監督が、当時の漫才ブームの若手芸人を起用して描いた過激な青春映画。
生きている小平次
監督:中川信夫/78分/35mm/カラー/スタンダード/1982年
旅芝居一座の小平次(藤間文彦)、太九郎(石橋正次)と女房おちか(宮下順子)は幼馴染。二人はお互いに芸を磨き合う仲だが、おちかにひそかに思いを寄せる小平次が耐えきれず太九郎にその気持ちを打ち明けたとき悲劇が起こる。『東海道四谷怪談』など怪奇映画で数々の名作を残した中川信夫監督の遺作。
津軽じょんがら節
監督:斉藤耕一/103分/35mm/カラー/シネスコ/1973年
津軽の荒れ果てた漁村。東京で水商売をしていたイサ子(江波杏子)は、愛人であり、よその組の幹部を刺して追われているヤクザの徹男(織田あきら)を連れて故郷である村に帰ってきた。徹男にとっては退屈なだけのはずのこの村だったが、いつしかそれが変化していく。映像美に定評ある斉藤監督は、本作でキネマ旬報ベストワンほか多くの賞を受賞した作品。
サード
監督:東陽一/102分/35mm/カラー/ビスタ/1978年
高校の野球部で活躍していたサードこと妹尾(永島敏行)は、女友達と売春でお金を作って「どこか大きな町に行こう」とする。しかし、傷害事件を起こしたサードは少年院に入れられてしまう。『もう頬杖は点かない』の東陽一監督が、大人になりきれない少年の焦燥感を見事に描き出した作品。
書を捨てよ町へ出よう
監督:寺山修司/138分/35mm/カラー/スタンダード/1971年
「演劇実験室“天井桟敷"」寺山修司のエッセイ集とも同名の本作は、「映画の中には何もないのだ。さあ、外の空気を吸いに出てゆきたまえ」という言葉ではじまる「私」こと北村(佐々木英明)の物語である。美輪明宏(当時、丸山明宏)も出演し、常識や道徳に反しながら強烈な個性で人を惹きつけた寺山修司の過激な幻想。
日本アート・シアター・ギルド(ATG)
日本アート・シアター・ギルド(ATG)は、商業主義に流されず芸術映画を上映する組織として1961年に発足した。フランスでのヌーヴェル・バーグ運動に呼応する大島渚監督などの作家達が現れつつも、外国映画が上映される機会に乏しかった当時、『オルフェの遺言』(ジャン・コクトー監督)などの芸術映画を積極的に紹介する一方で、日本映画の再認識と評価を行った。「一千万円映画」と呼ばれた低予算での映画製作は、商業主義にとらわれない自由な映画作家を輩出する基盤となった。
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上映時に、1歳半から未就学児までの託児サービスがあります(おやつ代200円が必要)。往復はがき又は電子メール、FAXに、希望日時、住所、氏名、電話番号、お子様の氏名、年齢(月齢まで)、を記入のうえ3月12日(水)必着で「月例上映会3月託児担当」までお申込下さい。
せんだいメディアテークでは、上映事業の一環として「スタジオ・プレビュー」と題したプログラムを予定しています。このプログラムは、仙台というまちにこれまでたくわえられた、あるいは、今生まれつつある映像を幅広く発表する場を作ることを目的とし、せんだいメディアテークが所蔵する生涯学習・学校教育・地域文化のための映像資料やスタジオ活動を通じて生み出される映像作品などのアーカイブ資料、仙台を活動の中心とした映像による表現を紹介していきます。本事業にご興味のある方は企画・活動支援室までお問い合せください。